浮きを生じたタイノレ仕上の目地による剥落防止に関する研究

摘要

タイルは、最も身近な建築材料の一つであり、近年では多くの建物に使用されている。これはタイルが、意匠性•耐久性•メンテナンス性に極めて優れていることの裏付けとも言える。その一方で、外壁として使用されるタイルの剥離•剥落による人的被害の発生も報告されている。経年劣化や風荷重•地震荷重といった原因により、タイルと貼り付けモルタルの間に浮きが生じることで、最終的にタイルの剥落に繋がる。浮きが生じているタイルは、目地モルタルを介して周囲の健全なタイルによって剥落せずに保たれていると考えられる。タイルの目地モルタルの強度不足は、外壁タイルの落下要因の一つにあると考えられるが、目地によるタイル剥落の抑止効果を検討した研究は少なく、目地強度に関する基準が明確ではない。