入居者の重度化に対応した生活環境・介護方法: 改修型グループホームの評価に関する研究　(その10)

摘要

入居が長期化するにつれ、入居者の介護度・認知症の程度・ADLの低下がみられ、主体性や能力を発揮する機会が減少する。しかしながら、入居者のもちえる力を発揮させる支援やそれを助長させる空間によって、主体性や能力発揮の維持に繋がる。また、寝たきりとなり、個室での滞在が多くなる入居者ににとつて、個室は重要な空間となる。改修型にみられる個室(和室)とスタッフや入居者を感じられる緣側との繋がり方、居間・食堂といった入居者の集う場と個室との関係、さらにはスタツフの見守りの目が行き届く開放的な設え等が重要になる。こうした空間のあり方が、終末期となった入居者の精神的・身体的自立を支援することに繋がる。