学童通学路における犯罪発生空間の特性に関する調査分析: 千葉県浦安市·流山市·船橋市の小学校区を例として（その2）

摘要

各都市の犯罪発生エリアの特徴は①公園，街路樹等に沿った道路②グラウンド，川沿い等延長した直線道路③街灯がなく人通りの少ない線路沿い，高架下，歩道橋④小学校等公共施設周辺の信号のある交差点⑤主要道路と交差した狭い路地⑥主要道路と平行して走る裏通り⑦不特定多数が利用する公共空間に分類され，学校·公園等夜間利用されない施設周辺，狭い路地や交差点等見通しの悪い場所，高架下·歩道橋等自然監視性が失われている場所に犯罪発生が集中している結果が得られた。これらのエリアでの相互の安全性を向上するには，公共空間においても施設內部と外部を相互に見通せるようにすることが求められる。住宅街においては，緊急避難場所の確保（子供110番），道路に面した居室の窓の配置により，人の目を確保することが重要である。道路·公園·学校·沿道空間の各整備主体および管理主体は，犯罪防止の観点からも、相互に連携する必要がある。さらに，今回の分析では，千葉県の3都市のみ行ったが，これから犯罪情報を公開する都市を対象に，より多くの都市を対象にした事例分析により，検証していくことが必要である。