都市開発投資における利潤最大化行動の定式化に関する研究: 賃貸住宅の開発投資行動を対象として　その1

摘要

近年の住宅需要は都心回帰傾向となり、核家族化、少子高齢化、今後の人口滅少などの問題も重なって、住宅需要の予測が困難になっている。全国的に見ても空家率が増加しているにも関わらず、新設着工戸数は依然として高い水準のままであり、この状況が続けば、さらに空家率は增加していくと考えられる。そこで，本研究では、賃貸住宅開発の影響要因は都市の規模によって異なってくるのではないかと考え、九州内の都市を対象に人口規模別に分類し、それぞれについて賃貸住宅着工戸数と様々な要因（世帯数、地価、所得など）の関連性を分析した上で、その影響度を定量的に把握することを目的とする。