商業集積拡大の仕組みに関する定量的研究: 広域渋谷圏を対象として

摘要

東京の渋谷駅を中心とした原宿·恵比寿·中目黒·靑山·六本木·赤坂などを含む広域渋谷圏では、1990年代以降著しく商業集積が拡大し、わが国で規模·商圏ともに最大級の商業地へと発展してきた。この広域渋谷圈における商業集積の拡大は、核となる商業エリアの連結を生み出し、またそのような集積の連続性が歩行者の広城な回遊行動を促したと言及されているが、その実態は明らかにされていない。そこで本研究では、広域渋谷圈の商業集積が連続性を持つに至った拡大過程とその仕組みを明らかにし、それらが歩行者の回遊行動をどのように促進したのかを考察することを目的とする。