病院の周辺状況と音環境の実態 (その1 入院患者に対するアンケート結果と周辺状況の実態)

摘要

これまで、病院における音環境の実態を把握し、改善方法の提案や評価手法を確立することなどを目的に、主に患者が長期間滞在する病棟において、音環境を中心とした調査を行ってきた。その結果、病棟における主な騒音源は足音やワゴンの移動音であることがわかっている。また、道路交通騒音や鉄道騒音などの屋外騒音は、窓の遮音性能や病院敷地內での病棟の位置などにより、病棟内の音環境に影響する可能性がある。病院は、外来患者などの来院を容易にするため、駅付近や幹線道路沿いなどの交通の便が良い場所に立地していることが望ましい。しかし、このような場所では、騒音や粉塵などが問題となる。さらに病院周辺では、他の場所よりも、救急車のサイレンの発生頻度が高くなるものと推測される。