形態の異なる街路空間における夏季の温熱環境改善予測

摘要

都市の屋外街路空間は，歩行空間，滞在空間として多くの人々が利用しているが，温熱環境の悪化が問題となっている。筆者らは，街区の温熱環境の評価を目指して，冬，中間季と夏の温熱環境実測と熱的主観申告調査を行い，路地は小路や大路と比べて，気温の低減効果が大きく街区の高温化の抑制に有効であることや熱的快適性の高い屋外街路空間であることを明らかにした。本論文では街区の温熱環境の改善を目標として，CFDシミュレーションを用いて夏の温熱環境に限定して解析を行い，1)気温の予測値と実測値の比較による精度検証，2)「基本モデル」による街路空間の熱的特性の分析と3)街区の温熱環境の改善案の効果を検証した結果について報告する。