カドゥー族の住居空間と住まい方について: 南ラオス•タンゴー村、ピンべー村のロングハウスに関する考察(その2)

摘要

近年タンゴ一村では、長いロングハウスがいくつかの棟に分解し、小さな長屋や小屋型の住居へ分散される傾向にある。理由としては、ロングハウスよりも互いの行き来のしやすさや、部材の調達、建設が容易なことなどが挙げられるが、むしろ時代の趨勢であるといってよい。しかし、氏族ごとに住み分け、テリトリーを重視する配列形態や、一族の祭壊が家長の居住する本家の家屋に祀られるなど、いまも社会構造や住まい方に大家族で住む長屋当時のこだわりをみることができる。