立原道造による衛生思想概念について:1920 年代からの分離派建築会の文脈からの考察

摘要

1930 年代は建築における社会的な要請が「人間生活」 とう建築の根源的思想へ回帰した時代であり、立原の建 築思想にもその影響が見受けられる。 芸術的側面や構造的側面の重要性ではなく、機能と快 適が合理的になされた建築計画学を立原は重要とし、計 画学を対応させることによって生まれた、合理的な形態 が「清純」「平静」「潔白」の印象を生むとしている。こ のことから立原の建築思想は、生活を営む人間を基盤と し、その上に成り立つものであることがわかる。