垂直連携型木造住宅生産????における事業者間の利益配分および????移行方法に関する研究その１ 垂直連携型木造住宅生産システムにおける事業者間の利益配分の検討

摘要

近年、林業者は補助金により経営を成り立たせており、植林?育林を行わない現状がある。林業の持続を考えると、林業者が継続的に採算を確保でき、植林?育林に利益の一部が分配される仕組みが必要である。遠藤ら2)は木材流通システムにおける中間業者を同一業者が行う垂直連携型木造住宅生産システム（以下、垂直連携システム）を提案した。遠藤らは削減されたコストにより植林?育林費用が捻出できる可能性を示したが、住宅建設まで一貫したコスト構造の検討を行っていない。そこで、本研究ではまず林業者?製材所?工務店各事業者の財務状況および原価構造の把握を行う。次に垂直連携システム移行後の各事業者の経営収支の試算を行い、垂直連携システムが成り立つ適切な利益分配の方法を明らかにする。