監理方式の変遷に伴う韓国の建築プロジェクトの施工管理体制の変化

摘要

韓国の建設産業は近年、監理方式の現代化と多様化を通して、生産性の向上と品質確保を図っている。具体的には、1960年代から始められた、設計者による「工事監理制度」と、1980年代に加えられた「責任監理制度」などの第三者による監理制度の導入、また韓国のＣＭ方式である「建設事業管理制度」の実施などである。このような監理方式の多様化は、実際のプロジェクトへ適用され、制度導入本来の狙いである品質確保のため、施工管理体制を変化させながら、生産システム上に幾つかの成果を上げている。本稿では、韓国で実施されている代表的な四つの監理方式を変遷の観点から確認し、各々の監理方式で実施されている実際のプロジェクトを分析することにより、品質確保のための施工管理体制の変化を考察する。ここに、本稿の目的は、第一に、韓国における監理方式の変遷を明らかにすること、第二に、各監理方式に伴う施工管理体制を具体的に明らかにすること、第三に、施工管理体制の変化の実態を明らかにすることである。