電磁誘導法による鉄筋のかぶり厚さ測定に関する実験的検討 正（その１ かぶり厚さ測定法と測定結果の概要）

摘要

かぶり厚さが異なる試験体にて，電磁誘導法とドリル 穿孔法によるかぶり厚さを測定し，その結果を比較検討 した。その結果，以下のような結論が得られた。 1）かぶり厚さが60mm 以下では，電磁誘導法による測定 でかぶり厚さを把握することができるが，かぶり厚さが 60mm を超えると正確な測定が困難な場合が多い。 2）かぶり厚さが20mm 未満では測定誤差はほとhどなか ったことから，屋内側の柱，梁などの最小かぶり厚さの 判定（x≧Cmin－10mm）は十分な精度で可能と考えられる。 3）かぶり厚さが20～60mm の範囲では，かぶり厚さを小 さめに評価する傾向にあるため，JASS 5 における最小か ぶり厚さを下回る確率が大きめに評価される。そのため， P（x ＜ Cmin）≦0.15 の判定に影響する可能性がある。