建設プロジェクトの発注?契約方式と品質確保のしくみに関する国際比較研究その１ 研究の概要

摘要

建設プロジェクトの品質確保は極めて重要な課題であるが、その信頼性が世界各国で問題となっている。また、グローバルな競争社会の中で円満に推移するプロジェクトから品質、コスト、安全等の面でトラブルに巻き込まれるプロジェクトまで多様である。これらが建設プロジェクトの発注?契約方式に強く関係し、また、その発注?契約方式が品質確保のしくみに大きく影響していることが徐々に顕在化しつつある。本研究ではこれらの実態を、多様な発注?契約方式と契約約款が充実しており、かつ職能性が定着している英国、米国と、発注方式の多様化と契約制度の整備が遅れた日本、中国、韓国を比較対象国として取り上げ、各国での品質確保のしくみとの関係を詳細に分析し、発注?契約方式と品質確保のしくみの今後のあり方を提言することを目的とする。また、これら諸国のしくみが競合するUAE、シンガポールでのプロジェクトを取り上げ、各国の品質確保のしくみの適合性、優位性を実プロジェクトに即して検証する。