シングル配筋する断面幅の小さい梁の応力伝達メカニズムと上面割裂破壊の防止について

摘要

シングル配筋される断面幅の小さい梁では、梁の上面に生じた付着割裂ひび割れが開口して極めて脆性的な破壊に到ることが知られている。これが、曲げ降伏後に起こると、主筋比によらず上面割裂破壊で変形限界が決まってしまうことも知られている。上面割裂破壊の防止のために例えば主筋周囲にスパイラル筋などを配置することの有効性は確認されているが、通常の閉鎖型スターラップをもった梁の付着割裂と何がどう違って上面に付着割裂ひび割れが発生するのか、メカニズムを明らかにされていない。住宅用基礎の構造性能を確保するためには、応力伝達メカニズム明らかにした合理的な配筋設計をすることが必要であり、仕様配筋とする部分を無くすことにある。本研究は、梁幅が小さくシングル配筋梁の上面付着割裂破壊を防止し変形限界を向上させるための配筋方法を提案することを目的とした。