地震災害時に避難所となる建物の住環境と耐震性能の関連性に関する研究: その1 住環境評価に基づく分析

摘要

本論文では，新潟県中越沖地震で避難所となったコミュニティセンターを調査し，問題となったことを住環境評価に基づき分析し，以下のような知見を得た。①「安全性」に関して，客観的には生命の安全は確保されていても，少なからず避難者自身が身の危険を感じていた結果であると言える。②「保健性」に関して，避難者がトイレや風呂に対して不便を感じていたことが分かる。インフラ施設の被害により生活用水が使用不可能となることが重要な問題となっている。③「利便性」に関して，避難者は物资の提供や被災からの復旧に関する情報の欠落に苦慮していたようである。災害時はインフラ施設の被害により情報システムが一部使用不能となり，情報の欠乏が問題となった。