打球探査による迅速安全なトンネルの切羽の岩盤物性評価

摘要

打球探査とは，加速度計が取り付けられた鋼球で探査対象を打撃し，取得した加速度波形を Hertzの衝突理論に基づき解析することで，その弾性係数を迅速に求められる探査技術である． ここでトンネルの切羽を探査対象とする場合，危険な切羽からできる限り離れ，安全に作業す るために装置を改造する必要がある．そこで筆者らは，球体部を2mの棒の先端に取り付けて対 象を突く，新しい打撃法を考案した．地山の硬軟が異なるトンネル2現場での適用試験の結果， 考案した打撃法の作業性は良好で，得られた弾性係数は通常の打撃法による値と同等であった． 従って，本手法によりトンネルの切羽の岩盤物性を迅速安全に得ることができる．