ICP を応用した森林内立木群の三次元マップの構築

摘要

森林の資源管理は、近年の持続可能社会構築の機運にともない、木材資源の管理やCO_2 固定量の推定などの面からその重要性が年々増している。しかし、人工林における樹木資源量に関するデータは、簡易な器具を用いていまだ人手で計測しているのが現状であり、多くの作業時間が必要であることや計測者のスキルによる計測値のバラつきが多いという問題が指摘されている。そのため、計測の機械化による時間短縮、データの均質化が求められている。一方、大型で高精度な走査型レーザ距離計を用いた研究もなされているが、計測装置が高価で大きいことから、森林内の計測機械化が普及しない要因の一つとなっている。筆者らは、実際に山林で使用することを前提として、小型軽量で移動しながら自動的に森林の樹木形状や毎木位置、毎木の直径などのデータを取得できる装置の研究開発を行っている。