多義性を考慮したスケッチマップにおける建築記号の共起性についての分析建築記号群の解釈としての認知地図の分析に基づく建築·都市空間のデザインに関する研究(その3)

摘要

本研究は建築·都市空間のデサインを人間と環境との相互関係に変化をもたらす営みとし、中でもその意味やその解釈における人間と環境との相互関係を考慮したデザイン方法の構築を目指す研究の一環として実行している。そこで既報から意昧やその解釈に関わる記号現象(Semiosis)を扱う理論である記号論を理論的枠組みとして、人間の建築·都市空間に対する解釈の表れの一つである「スケッチマップ(Sketch Map)」の分析を行っている。具体的には、ある地域を表すスケッチマップ上に異なる要素群が描画されているとき、それらがスケッチマップ上で「共起」していると呼び、記号論の理論的枠組みの下に、どのような要素同士がどのような記号的関係性において共起しやすいのかを確率値で評価し、評価結果を可視化するシステムを構築することを一つの目的とする。そして1つの建築物の特定の性質を変化させた(デザインした)場合に、要素群がスケッチマップ上で共起する性質(「共起性」と呼ぶ)にどのような変化が起こりうるのかを構築したシステム上で確認することを通して、建築記号の共起性の解明を目指す研究を展開している。%As with the previous, co-occurrence probabilities between architectural signs on sketch map are evaluated using a simulator which maps their geographical dispositions, considering its application into Human-Environment System design as follows:1)Propose architectural signs'co-occurrence semiosis model based on C.S. Peirce's semiotics focusing on its semantic polysemy, 2)Evaluate their co-occurrence probabilities in GIS database created in Part 1 and Part 2 via logistic regression analysis, 3)Draw dispositions of the co-occurrence probabilities on simulator created based on step 2, 4)Consider the application of the results into the Human-Environment System design.