通信給電機能付きドリルパイプの開発に向けた多段式非接触給信号伝送技術の基礎研究

摘要

海中探査機や搭載センサへの非接触信号伝送技術の要望が高まっており，主に海中におけるAutonomous Underwater Vehicleへの給電を目的とした非接触信号伝送技術が研究されている1)．さらに，非接触信号伝送技術は，石油やガスなどの掘削業界にも適用されており，ドリルパイプに通信ケーブルを装備し，ドリルパイプの両端のネジ部にコイルを配置し非接触でデータ通信を行うWired drill pipeが考案されている．こうした技術を用いて，掘削中のトルクや掘削孔の状態など操業に関する情報をリアルタイムで入手することで，掘削作業の安全性および効率性の向上が図られている．しかし，後者のドリルパイプへの適用は多段ではあるもののデータ通信のみを対象としており，センサへの給電はバッテリーで行っており，定期的なドリルパイプの揚降が要求される．