副室式ガスエンジンのトーチ火炎噴出挙動と主室内燃焼の可視化計測

摘要

天然ガス系気体燃料の希薄予混合燃焼を用いる中速ガスエンジン(以下，MS-SI-NGエンジン)は，後処理なしで船舶向け NO_x 排出規制を満足でき，船内発電用を含む中速ディーゼルを代替する低エミッションエンジンとして注目されている．MS-SI-NGエンジンでは，主燃焼室の中央に配置した予燃焼室(以下，副室と呼称)からトーチ火炎を噴出させることで大尺度のMC内の燃焼を促進する副室式が一般的であるが，両燃焼室間を連通するノズル孔の諸元がトーチ火炎の噴出挙動および主室内燃焼に与える影響を，燃焼の可視化計測に基づいて検討した例は比較的少ない．その理由として大口径の可視化窓の耐圧性，副室への独立燃料供給の煩雑さなどが挙げられる．