140GHz帯近距離マルチレーダのための評価関数近似を用いたRPM法の高速化

摘要

UWB レーダは, 高い距離分解能を有し，粉塵，濃煙，夜間等の劣悪な環境下でも計測可能である．そのため，災害現場や高齢者見守り，夜間の建設現場における事故防止センサ等の近距離イメージセンサとして有望である．上記応用に適するセンサとして，140GHz 帯の超広帯域レーダが，装置の小型化，高分解能化の観点から注目されている．同レーダシステムにおいて，高速・高精度立体画像化を実現する手法としてRPM(Range Points Migration) 法が提案されている[1]．また複数目標における計算量増大を抑えるために，ドップラ速度によるデータクラスタリングに基づく高精度化および高速化法が提案されている[2]．同手法では反射点を抽出するために回転楕円体の交点を多数計算する必要があり，同処理が更なる高速化を妨げている．本手法では，RPM 法の評価関数を修正し，楕円体の交線もしくは交点抽出を経由せずに直接的に反射点を抽出する方法を提案する．高周波近似に基づく数値計算データにより，本手法の有効性を示す．