クラウド型音声認識API を用いて適切な話速を定量的に評価･改善するセルフチェックサービス

摘要

厚生労働省と文部科学省の調査により，2013 年10 月における大卒者の就職内定率は64.3%と前年の同時期よりも1.2 ポイント上回ったと発表されたが，現在も厳しい状態が続いている[1]．書籍やインターネット等で就職活動の面接試験への対策について述べられているが，面接時の回答内容に関する記述がほとんどである．身体動作や話し方などの非言語行動に関しては具体的に述べられていることは極めて少ない．したがって面接受験者は回答内容を向上させることばかりに力を注ぐ傾向にあるが，先行研究[2]によると初対面の相手の印象を形成する要因は，視線行動，身だしなみ，話す内容，表情，話し方の6 つの要因があり，その中で本研究では話し方に着目している．話し方の構成要素には発話する速度（以下，話速），声の大きさ，｢えー｣，｢あのー｣などの音声フィラー，繰り返し，沈黙があり，実験結果から話速が聞き手の印象に大きな影響を与えることが明らかになっている．