道路インフラモニタリング用MEMS歪みセンサの開発

摘要

生体、建築物などの挙動を長期に渡ってモニタリングする手段として、圧電材料やピエゾ抵抗などを用いた歪みセンサの研究が盛んに進められている。例としては構造物を管理する際、歪みの状態を計測することは非常に有効な手法として高い関心を集めている。(1)計測した歪みの度合い、分布から構造物の損傷を検出評価、監視を行うことにより、精度の高い安全管理を行おうという試みである。しかし、検査対象となる構造物に関しては検査、測定が容易ではない箇所、部材があること、また検査する際に対称となる設備の稼働の停止(トンネルの通行止め等)を伴う例もあるため、高頻度で行うことはきわめて難しい。このことから、検査に替わる監視手法押して、設置型のデバイスによるモニタリングについて検討する必要があると考えられる。モニタリングの利点としては常時の監視が可能な点、検査が難しい箇所も取り付けが成功さえすれば容易に監視が可能な点に大きな魅力がある。デバイスを製作し、検討を行った例としては人間の脈拍PZTアレイシートによって測定したDagdeviranらによる実験(2)、シリコンMEMSを用いて作製した、PZTを製膜したシリコン薄膜により橋梁など道路インフラのモニタリングを目的とした山下らの実験(3)などが挙げられる。いずれも5mm角未満の小さなサイズのセンサ素子をポリイミドなどのフィルム上に複数配置し、これを用いて測定対象の歪みをセンサ素子の電圧変化として検知し、測定するという手法を採用している。フィルム上のピエゾ抵抗型センサの特性を明らかにすることが目的である。このとき、まず、シリコンウエハに作製したセンサ薄膜をフリップチップボンダーを用いて切り離し、フィルム上に実装するという方法が用いられるがこの手法の成功rn率についての定量的な考察が行われていないためまず考察、検証を行った。(4)さらに、フィルム上にセンサを実装した場合のセンサ感度についてシミュレーション、実験により考察を行うことが必要である。