タブレットPC を活用する授業のための支援ツールの開発

摘要

現在，教育現場ではICT機器を活用することが主流になりつつある．2014年6月の｢世界最先端IT国家創造宣言｣によって，2020年までに小中学校の生徒を対象に一人一台の端末を持たせることを予定しており，教育現場の各所でICT機器導入に積極的な動きを見せている．タブレットPC（以降，TPC）は導入台数が年々増加しており，H26年度では156,000台と前年度と比較して2倍以上の増加を見せている．このような背景の下で，TPCを用いた授業を支援するための様々なツールが提案されている．これらの支援ツールを用いた授業では，(1)教師が教材や課題を各生徒のTPCと教室前方の大型画面に提示する，(2)各生徒は自分のTPCの画面に答案や自分の考えを書き込む，(3)教師は生徒画面の一覧を見て生徒の進捗状況や意見等を把握する，(4)特定の生徒の画面を全員に提示したり，複数の生徒画面を比較するなどして，生徒同士での意見交換を促したり，共に考えたりすることを促進する，といった授業モデルが考えられる（図1）．