掘削予測軌道を考慮するサーポ型モデル予測制御を用いた油圧ショベルの最適掘削

摘要

近年，情報通信技術を用いた建設機械の研究開発が盛んに行われている.油圧ショベルでは自律掘削手法のーつとしてバケツト先端の軌道追従制御が行われている.しかし目標形状を達成するまで掘削を繰り返すため，それに応じた掘削軌道を設計することが必要である.そこで繰り返しに応じた掘削軌道の計画と，掘削抵抗に影響されない計画した掘削の正確な実現を目的とする.そのため上位階層である軌道計画では目標形状への追従性能の指標に未掘削の土砂量を反映したモデル予測制御(MPC)により繰り返しに応じて軌道を設計する.そして設計軌道への追従を行う下位階層にMPCとサーボシステムを組み合わせたサ一ボ型モデル予測制御(MPCS)を用いる.MPCは予測挙動に基づき最適な入力を決定する手法であり，本論文では上位階層で計算される掘削予測軌道を下位階層で目標軌道とする.これにより予測点を含めた掘削制御を行い，上位階層の設計軌道を実現する最適掘削を達成する.この提案手法の有効性を，小型油圧ショベルを用いた実機実験により検証する.