既設PC橋のウェブに生じた局所的な塩害劣化メカニズムと表面設置型点状流電陽極工法を用いた腐食緩和対策に関する検討

摘要

凍結防止剤散布路線にあるポストテンション方式PCT 桁橋のうち上縁定着ケーブルに沿ったひび割れが生じ，その近傍でコンクリートの浮きが確認されたウェブ部を対象に各種調査を実施した．その結果，路面からグラウト充填不足部に侵入した塩化物イオンがシースを損傷させ，ひび割れを介してコンクリート表面へと浸透・拡散することでシース外側に配置された鉄筋が腐食する局所的な塩害のメカニズムを確認した．上記ウェブ部のシース外側および鉄筋は進展期の塩害劣化であると推定されたため表面設置型点状流電陽極工法を適用し，電気化学的計測の結果，腐食緩和効果が発揮されていると評価された．