鏡板の耐圧限界強度から破損漏えい挙動までの評価手法の検討(1) 評価の流れと板厚分布を考慮した3次元解析モデルの構築

摘要

原子力プラントにおける格納容器(CV)は，放射性物質を内包する機器から漏洩が生じた場合，周辺環境との間を隔てる安全上重要な役割を担う．ここでは，高速炉のCVバウンダリを構成する機器である鏡板に着目してそのバウンダリの機能維持限界圧力(耐圧限界強度)の評価手法について検討する．さらに，環境への影響評価という観点から鏡板のバウンダリ機能喪失(貫通破損)後の漏洩挙動の簡便な評価手法を検討する．本稿では第 1 報として，評価全体の流れを示すとともに，その第1段階である鏡板成型による板厚分布のモデル化を検討する．鏡板の耐圧限界強度を精度よく評価し，さらに貫通破損規模を推測するために適切な3次元詳細解析モデルを作ることは不可欠である．今回は試験に用いた鏡板の3次元計測データを基に鏡板の板厚分布のモデル化を試みた．