震災時における室内の心理的評価と避難行動の選択に関する研究（その５）: 所属意識差に基づくF 検定を用いた部位評価と避難判断

摘要

本研究のデータから、震災時に被災空間の部位の損傷によって被災者に心理的影響を及ぼすことを明らかにしたと同時に、被験者の中でも所属意識によって危険と感じる部屋の部位に違いがあり、避難判断を行う傾向が異なることがわかった。また、本研究から得られた情報は、東北地方太平洋沖地震以前のものであり、この度の大地震から人々の地震に対する意識変化が大きく変わっていることが予想される。本研究で行われた考察データは、今後人々が震災に対する意識調査を知るにあたって、震災前の人々の地震に対する認識変化を比較する上で、貴重な情報となると考えられる。