弱アルカリ電解水による室内臭低減に関する研究

摘要

室内臭対策技術を原理から分類すると、換気法、吸着法、吸収法、感覚的消臭法、酸化法（オゾン式、プラズマ式、光触媒式）の５方式に大別できる。近年、吸収法と感覚的消臭法および酸化法の組み合わせ技術と思われる「電解水」を利用した消・脱臭装置が普及しつつある。電解水とは、水道水や食塩水などを直流電圧で電気分解して生成される水溶液の総称であり、従前から医療施設や食品工場などの殺菌・除菌・洗浄を目的として利用されている。最近では除菌消臭剤として汚染部に直接噴霧することや、噴霧器や空気清浄機に消臭剤として組み込まれるなど普及しつある。消臭原理は、主に塩素酸による臭気物質の酸化と思われる。しかしながら、消臭性能を客観的かつ定量的に評価した報告例が不足しており、その性能については不明な点が多い。