〈地場の伝統〉の建築的翻案とその組み合わせによる建築表現 現代日本の建築作品の設計論にみる〈地場の伝統〉の参照と反映による建築表現（２）

摘要

〈地場の伝統〉を参照し、それを反映した建築作品は、対象と性質の翻案によって表現されていた。対象の翻案では、展開や移動によって対象を拡げているものや、異なる対象を収束させて一つの表現の対象に落とし込むもの、異なる対象を共存させて反映した翻案などがあった。性質の翻案では、全ての性質を維持するもの、一部の性質を維持するもの、「付加される性質」によって他の「維持される性質」を維持した翻案など、それぞれの建築的翻案の特徴を示し、それらの組み合わせを検討することによって、〈地場の伝統〉の参照と反映による現代日本の建築作品の表現の特徴を明らかにした。