公共施設再編により管理主体を変更した施設に関する研究‐浜松市を事例として( その2)　：管理・運営・利用の変化

摘要

　本研究では管理主体変更による「A: 行政が把握している効果」と「B: 行政が把握していない変化」について調査分析した。A の効果としては主に管理方法の適正化による財政の負担の軽減があるが、B の効果としては利用者数と利用料金、活動内容に多少の変化がみられた。管理主体変更の大きな割合は集会施設が占めていた。殆どの施設において、アンケートの結果では活動内容に大きな変化は無く、従前からの活動を継続していると言える。しかし、維持管理費の点において課題を抱えていることが多かった。管理主体変更による副次的な効果として期待されるているのが、運営管理の主体を地域や利用者に任せ、管理運営の弾力化など、地域住民等の主体的な施設運営により、施設運営の活性化と「地域の誰もが気軽に利用できる施設」を目指すことであるが、そのような変化が確認できた施設は僅かであった。その原因としは施設の老朽化や運営者の高齢化により今後の維持が難しくなってきていることが考えられる。管理主体変更後に運営者による積極的な施設の活性化を図るためには、行政側から具体的な計画を提案するなど、何等かの関与が必要なのではないかと考える。