熊本地震で被災した11 階建てSRC 造共同住宅を対象とした検討 その2：常時微動測定記録と固有値解析結果から得られる固有周期の比較

摘要

本編では，熊本地震で被災した非耐力壁が損傷した後に補修されたSRC 造共同住宅を対象に，常時微動測定を実施し得られた固有周期と，建物のモデル化並びに固有値解析を行って得られた固有周期を比較し，以下の知見が得られた。1.微動計測した値は長辺方向で0.64 秒であった。2.壁の有無をパラメータとして解析モデルを作成し，固有値解析により1 次固有周期を算定したところ，得られた固有周期は純ラーメン架構モデルで0.62 秒，壁付き架構モデルで0.33 秒であった。3.両者の比較より微動観測から得られた固有周期は，純ラーメン架構モデルの値と近いことが分かった。