建築構造ケーブルの屈曲が疲労特性に及ぼす影響に関する実験的研究: (その1)ケーブルの径と素線構成による疲労特性の比較

摘要

近年、張弦梁構造やガラスファサードの支持構造等に、ケーブルやロッドに代表されるテンション材を使用した建築物が増加している(図1)。ケーブルはロッドに比べ強度、引張方向の疲労特性、運搬性等において優れた特性を有しているにも関わらず、テンション材としてはケーブルよりロッドの方が数多く使用されているのが我が国の現状である。この原因として、ケーブル構造の設計法に関する技術的な蓄積や設計者の理解度の不足が考えられるが、その中のひとつとして種々のディテールに対する設計用データが未整備であることが挙げられる。