一様ハザードスペクトルの耐震設計の適用における基礎的検討 その１ 新荷重指針による一様ハザードスペクトルの設定

摘要

新荷重指針（2015）1)の地震荷重の設定では，入力地震動の地震動特性として，従来の最大加速度（PGA）に加え，加速度応答値の一様ハザードスペクトル（UHS）が新しく追加されている。UHS は，確率論的地震ハザード評価により設定され，新指針では，地震調査研究推進本部（以下，地震本部）による最新の公開情報を活用する方針が示されている。しかし，この公開情報である確率論的地震動予測地図（以下，予測地図と記す）は，毎年更新されており，震源モデルや地震動評価手法に変更がない場合においても，一部の地震の発生確率が更新過程により設定されるため，確率の算定基準日によって結果が異なる場合がある。筆者らはこれまでに予測地図の耐震設計への適用にあたり，この更新過程による発生確率に着目し，算定基準日が結果に及ぼす影響を検討してきた2)。本検討では，新荷重指針に示されたUHS を算出し，算定基準日が結果に及ぼす影響を検討する。