実大実験による雨宿り空間の評価に関する研究その２．快適な雨宿りと空間の大きさとの関連

摘要

前報では雨宿り空間の心理的評価に用いる実験装置、並びに、心理的評価実験の概要について報告し、空間外部から眺めた場合の心理的評価結果を示した。本報では実際に空間内で雨宿りをした際の評価結果を示し、空間の大きさと心理的評価との関連について報告する。２．心理的評価実験の概要前報で詳述した実験装置を用いて、雨宿り空間の心理的評価実験を行なった。調査票の内容を表1 に示す。本実験で用いる調査票は空間評価シートとフェイスシートに大別される。本実験では1 つの空間に対して、空間外部から眺めた場合と空間内部で実際に雨宿りをした場合の異なる視点から評価を求めたが、空間評価シートのうち、前者の「A.外側から見た空間の印象」については前報で結果を示した。それ以外の項目が後者となり、被験者に実際に雨宿りを体験させながら評価を求めた。その際には、立位を維持するように指示したものの、その他、立ち位置や体の向きなどの指定はしなかった。本報でこの後者の結果について述べる。