ホロカソードランプ陰極カリウム原子の仕事関数測定

摘要

我々は、大学や高校の授業で利用できる光電効果の実験教材開発を行っている。原子吸光分析に用いられるホロカソードランプ（HCL）[1] を利用した光電効果実験教材を新たに提案し、遮光を必要とせずに様々な金属の仕事関数を比較的簡単に求めることができる実験教材の実現を目指している。今までにCs 陰極のHCL を用いて、その陰極へ狭帯域フィルターにより単色化した光を照射して光電効果信号を検出できることを確認した。またフィルターの透過中心波長を変えながら光電効果信号強度を測定し、その変化の様子からCs の仕事関数を求めた。[2] 今回はこの我々の方法で他の金属の仕事関数を測定できるかを確かめるために、陰極元素がカリウム（K）のHCLに換えて同様の実験を実施し、K の仕事関数（限界波長）を求めることを試みた。