Ar雰囲気におけるパルス放電照射に伴う水中のpH変化機序

摘要

水上放電プラズマにより水中に生成されるH02は大 腸菌の殺菌に寄与し，水中のpHが低い場合にその殺 菌効果が高まる[1]。したがって，殺菌効果を高めるた めには，pHが減少する反応を選択的に起こすことが重 要であり，水中のpH変化機序を詳細に把握すること が必要である。水中のpH変化については，放電によ り気相に生成されたHNOxが溶解することで水中の pHが減少することが明らかになつている[2]。また，放 電プラズマ中の正イオンの電荷がH2O分子に移行し て，水中に生成されるH20+の解離で生成されるH+に より，pHが減少することがシミュレーションから予測 されている[3]。これは，放電プラズマ中でHNOxが生 成されない場合でも，放電照射により水中のpHが変 化することを示唆しているが，我々の知る限りでは， 実験による解明はなされていない。