圧力勾配型プラズマガンを使用した活性化反応性蒸着により得られるITOを用いたぺロブスカイト型太陽電池の作製

摘要

ぺロブスカイト型太陽電池（PSC)の電極の形成はドライコーティングにより行われるが、そ の成膜速度を上げることができれば、生産性の向上、製造コストの低減につながる。また、PSCの両電極に透明導電膜を用いればシリコン型太陽電池とのタンデム化が可能となり、変換効率の高い太陽電池の作製が可能となる'。PSCの電極として利用できる透明導電膜を高速で成膜し、しかも他の構成層にダメージを与えない蒸着方法の開発を進めている。これまでに、圧力勾配型プラズマガン（PG-PG)による低電圧大電流直流放電プラズマを用いた活性化反応性蒸着（ARE) を利用し、有機ELの封止膜（SiOxNy膜）の作製を検討し2)、有機ELの構成層にプラズマによ るダメージを与えることなく、1.6 nm/secの高速でSiOxNy膜を作製できることを実証している。 本研究では、PSCの下部電極に、PG-PG を使用したAREにより、透明導電膜の インジウムスズ酸化物（ITO)層を成膜 し、これを用いてPSCの作製を検討し た（Figure1)。また、ITOの成膜による ダメージの有無を検証するため、真空 蒸着により得られるAgを下部電極と して用いたPSCも作製し、AREにより得られる ITO を用いた PSC の変換効率(PCE)と比較した。