固体飛跡検出器CR-39を用いた水素クラスターのクーロン爆発で加速されるMeV級陽子線の計測

摘要

水素クラスターと呼ばれる水素分子の集合体に高強度レーザーを集光すると、クーロン爆発によって陽子線が加速される。加速される陽子線は、クラスターのサイズが大きいほどエネルギーが高く、マイクロメートルサイズの水素クラスターに10~(22) W/cm~2のレーザー光を集光して、クラスター内の全ての電子を剥ぎ取ると、100 MeV級の陽子線加速が可能とされている。一方で、水素クラスターは、極低温まで冷却されたノズルを通じて高圧の水素ガスを真空中に噴射することで生成され、ノズルの温度が低いほど生成されるクラスターのサイズは大きく、我々のグループでは、ノズルの温度が25 Kのときにマイクロメートルサイズの水素クラスターの生成に成功している。