Hf 添加プラスチックシンチレータのX 線検出特性とそのHf 濃度依存性

摘要

近年，その利用分野が拡大の一途を辿っているシンクロトロン放射光施設において，高エネルギーX 線計測技術の高度化が望まれている．これに応える方途として挙げられるのが，検出効率の向上である．この点において現状では，高計数率測定にはPb 5 wt%添加プラスチックシンチレータ(EJ256 Elgen Technology)を始めとする重金属添加プラスチックシンチレータが主に採用されている．しかし，重金属の含有率加増が極めて困難で，検出効率の向上が頭打ちとなっている．そこで我々は，この問題を解決すべく，重金属であるHf（Z = 72）の高濃度添加を企図したゾルゲル法の採用によりプラスチックシンチレータを作製し，同シンチレータ本来の良好な時間分解能を損ねることなく，高エネルギーX 線に対する高い検出効率を達成することを目指した．