有機-無機ペロブスカイト化合物薄膜の耐久性評価Ⅱ

摘要

現在、ハロゲン化鉛系ペロブスカイト化合物を光吸収層に用いた有機-無機ハイブリッド太陽電池は、耐久性の向上が実用化に向けた大きな課題となっている。ハロゲン化鉛系ペロブスカイト化合物の混晶化により同化合物の安定性が高まることがいくつかのグループで報告されている。特に、CH_3NH_3~+(MA+)やHC(NH_2)_2~+(FA~+)などの有機カチオンにCsやRbなどの無機カチオンを混合することによって安定性が向上したという報告がなされている。また、近年有機カチオンとしてCH_6N_3~+を混合することにより、エネルギー変換効率およびその安定性が向上したとの報告もなされているが、これらの劣化抑制メカニズムについてはまだ十分に解明されていない。本研究では、FA_(1-x)MA_xPbI_(3-y)Br_y化合物に着目し、同化合物への無機カチオンおよび有機カチオン混合の割合がペロブスカイト薄膜の結晶構造、モロフォロジーおよび各種雰囲気下での耐久性に与える影響について調べた結果について報告する。図１にCsを混合したFAPbI_(3-y)Br_y薄膜のXPSを示す。詳細な結果については当日報告する。