汚染広がりを防ぐための水上ロボットの回収機構

摘要

我々が住hでいる日本は海に囲まれた島国である。そのため船を用いた漁業や商業は欠かせないものとなっている。しかしながら、船を扱う上で不慮の座礁や衝突事故などが伴う場合がある。その際の衝撃により、船から重油が海に漏れ出すという問題が発生してしまう。一例として 1967 年 3 月 18日に英国のシリー諸島とランズエンド間の公海上で座礁したリベリア国籍のトリーキャニオン号を例に挙げる。その事故では 8 万トンの重油が流出してしまい、英海岸に汚染が 100マイル以上広がってしまい、フランスのブルターニュ海岸にも被害が及ぶほどの大惨事を招いたとされている。当時は海に流出した重油を回収するほどの技術がなかったため、船体を爆破させ原油を燃焼させることで処理を行っていた。現在は技術が進歩し、実際に事故が起きた場合、拡散を防ぐオイルフェンスで囲hだのちに、吸収シートや高性能ゲル化剤などを用いて海上の重油の回収を行っている。しかしながら、いずれも多大なコストと人員を割くことになる。さらにこれらの回収法をすぐに機能させることが難しいため、その間に漏れ出した重油が海岸に漂着してしまい、回収がより困難となってしまう。また、流出した重油はただ海を漂うだけでなく、本来混ざり合うはずのない水と油が次第に混ざり合っていきエマルジョン化（乳化）を引き起こしてしまう。エマルジョン化した重油は軟らかな固形状に変質するため、粘度が数十倍から数百倍に増加することとなる。その結果、重油は水中に沈降していくため、海上での回収方法とは異なった回収方法を用意する必要性が生まれてしまう。以上のような理由から海上に漏れ出した重油を回収するにあたって迅速な回収が重要になると考えられる。