レイケ管振動燃焼発生機構に関する研究

摘要

ボイラなどの燃焼機器では，燃焼条件により燃焼振動という自励的な振動が発生することがあり，その振動が原因で燃焼効率の低下や燃焼機器の損傷を招くことがある.また発生する騒音は極めて大きく周囲環境に悪影響を及ぼすため，燃焼振動の発生は必ず回避しなければならない.燃焼振動発生のメカニズムに関する研究はこれまでも数多く行われているが，複数の燃焼条件が複雑に関係している事もあり，まだ十分には解明されておらず，対策方法も確立されていない.本研究では燃焼振動発生機構とその騒音が，レイケ管の熱音響自励振動現象に類似していることに着目し，レイケ管を対象にセルラ•オートマトン法(以下CA法)を用いて自励振動の発生機構を解明することを目的とする.CA法とは，時間領域の解析手法の一種で，簡単な局所近傍則で全体の挙動を表現する手法であり，近年では波動伝搬問題やバイオリン弦のスティックスリップ現象の解析等にも適用されている.