第36回シンポジウム開催にあたって

摘要

建築計画に関する研究領域の中で、地域施設計画研究が一つの流れとなってから、すでに半世紀以上が経過しました。1960年代、わが国における経済·社会の発展に伴って大都巿近郊の住宅団地やニュータウンの建設が加速された時期に、地域施設計画の要請が高まり、これに連動して地域施設計画研究が進展しました。1970年以降における地域施設計画研究は、その数を増し、日本建築学会の建築計画研究領域における地域施設計画関係の研究数は、年間平均100題以上にも達し、安定した研究者層が形成され今日に至っております。1970年代後半以降になると、研究領域の拡大と課題の細分化•多様化、および研究方法の精密化の傾向が進み、研究と実務とのかかわり方について度々議論が行われてきました。