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【2h】

自動搬送制御を組み込んだ医用分析装置プラットフォーム開発に関する研究

机译:结合自动传输控制的医学分析仪平台开发研究

摘要

医療を支える臨床検査部門では様々な検査が行われる.中でも人体から採取された,血液などの検体を検査する分野を検体検査と呼び,自動化が進んでいる.検体検査は検体に試薬を添加し検査項目濃度を自動算出する臨床検査自動分析装置を中心に自動化されてきた.このような分析装置単体による処理性能の追求と並行して,複数の分析装置を搬送路に接続し処理性能を向上させるシステムが開発された.検体は複数の分析装置を渡り必要な検査を実施する.このようなシステムの開発においては複数の分析装置を搬送路に接続するためのプラットフォームが必要となる.その開発にあたっては,接続される装置に対応したシステム処理性能設計とプラットフォームとしての不変なソフトコア資産を維持するためのソフト開発手法が重要となる.本論文は検体検査における自動搬送制御を組み込んだ統合ソフトウェアシステムを実現する手法について報告する“システム開発型論文”である.本研究は,(1) 処理性能を向上させる自動搬送制御の設計,及び,(2) フレキシブルに分析装置を接続できるプラットフォームの開発手法から構成される.(1)搬送制御設計自動搬送制御を組み込んだプラットフォームには,処理性能が異なる分析装置を柔軟に搬送路に接続でき,その稼働率を最大限に引き出す仕組みが求められる.同プラットフォームを構築する方式の1つとして,搬送路沿いに並んだ分析装置が検体を吸い取る方式(PLS: Pipe Line System)がある.PLSでは,検体を容器から吸い取って反応容器に移すというピペット動作が一番長い装置を待って,搬送路が1装置分シフトして次のピペット動作が行われる.PLSは,検査項目のばらつきが少ない検体を処理する方式として1990年代まで活躍した.その後,検査項目数が増え,その依頼にばらつきが出てきて,これらの変化に対応すべくバッファ及び追い越し機能を付加した方式(STS: Side Track System)を基本方式として考案・提案した.この方式を採用したシステムは現在も稼働している.STSでは,搬送路上とは別の分析装置内バッファに検体を引き込み,そこからピペット動作が行われる.よって,バッファに引き込まれる限り他の分析装置に影響を与えない.追い越し機能では,検体は途中の不要な分析装置があれば,これを追い越して運ばれる.このバッファ及び追い越し機能によりSTSはPLSに比べ優位なシステム性能が期待できる.STSは1990年代に開発され異種の分析装置4台構成まで組合せを可能にしたが,そのポテンシャルは高い.開発時は製品仕様内においてシステム処理性能を検討しながら開発が行われたが,STS方式のポテンシャルを客観的数値的に表現してその性能の可能性を追求することは今後の設計開発にとって重要である.そこで,本研究ではSTSのシステム処理性能を解析し,それを数値実験により裏付け,STSの優位性を引き出し,また,顧客の環境に依存しない形で搬送システムをモデル化して評価する手法を確立する.システム処理性能の解析では,ランダムな検体列において特定装置に立ち寄らない検体が連続して出現することに着目し,立ち寄らないことで発生する空きを圧縮するアーキテクチャとしてSTSを位置づけた.数値実験で検証した結果,1)STSでは搬送路の1検体当りの搬送時間が(検体の分析処理時間)/(装置数+1)を超えると処理時間性能が大きく劣化する,2) 引き込みラインの入口出口それぞれにバッファを1個もつ装置4台構成において,ランダムな分析装置間経路をもつ全200検体を検査処理終了するまでの時間は,STSがPLSに対して平均30%圧縮する,3)STSのバッファ2個以上にしても更に30%圧縮するほどではないことが明らかになった.これによりSTSの優位性を定量的に確認し,プラットフォームにおける搬送路及びバッファの設計基準を構築した.(2)プラットフォーム開発手法プラットフォームを実現する開発プロセス手法は,前述した設計知見をコア資産となるソフトウェアで実現し,広く複数の製品において共用する手法である.ソフトウェアのコア資産化手法としては,組込みソフトウェア開発手法として注目されているSPL(Software Product Lines)手法がある.本研究ではこのSPLの考え方を導入し,異種の分析装置を統合するプラットフォームソフトウェア(Analyzer Integration Management System, 以下AIMSと略す)の新しい開発手法を構築している.AIMSに新たな分析装置を接続するためには,分析装置に特有な管理が必要となるため,AIMS内に広範囲な改造が発生し開発計画が難しくなる.加えて,複数の分析装置の開発と連動してAIMSが開発されるため,開発サイクルは比較的長期であり,コア資産を抽出するために参照する過去のソースコードも限られている.そこで少ない参照ソースコードでも精度よくコア資産を抽出・見積りする手法として,AIMSのアーキテクチャ要素を更に検査室の業務フロー要素単位に分解して,コア資産とアプリケーションを区分け解析するArchitecture Domain Matrix (ADM)手法を考案した.この手法により見積り精度が高まるだけでなく,改造部位を業務フロー要素毎にまとめるとWork Breakdown Structure (WBS)が作成でき,アーキテクチャ要素毎に集計すると改造量に見合った開発チーム編成に役立つので開発プロセスの生産性向上が期待できる.本開発手法を実プロジェクトに適用したところ,組込みソフトウェアにおいて3機種接続を1.5年で完了させることができ過去の開発に比べ2.5倍の生産性を実現することができた.また,ここで抽出されたコア資産は,その後4年間で新分析装置5機種,新搬送路2機種接続に活用されており,コア資産として活用されている.これは抽出されたコア資産が実効的であったことを示す.以上(1)(2)の成果は自動分析装置の開発に適用された.搬送制御技術により異種分析装置を搬送路で結合した業界初のシステム製品が構築され世界市場で高いシェアを維持している.また,開発手法を適用することにより高い生産性を達成でき,これもシステム製品の開発促進に大いに寄与した.以下各章の概略を説明して,本論文の構成を示す.第1章では研究の背景と目的を述べる.第2章では本論文の問題設定を行う.検体検査プラットフォームにおける問題として,搬送制御の性能評価,及び,プラットフォーム開発プロセスを捉える.第3章では,STSとその搬送制御実現方式を示し,検体の装置経路ばらつきが大きい場合に出てくる旧来方式の処理性能低下をSTSが克服することを示す.第4章では,STSと旧来方式の処理性能を解析的に比較する.まず,STSが性能を維持するために必要な限界搬送能力を解析する.次に,性能比較に用いる新しい指標として検査列に発生する空きの確率分布を定義・導入し,搬送システムが同確率分布を変換するフィルタにモデル化できることを導き,STSが優位になるメカニズムを明らかにする.第5章では,第4章の解析結果を数値実験により検証する.STSがもつ限界搬送能力の存在を検証し,空きの確率分布のフィルタにモデル化できることを数値で示し,旧来方式に対するSTSの処理時間圧縮率を算出してSTSの優位性を検証する.また,STSの装置台数とバッファ数がシステム性能に与える影響も数値実験して論ずる.第6章では,STSをプラットフォームに実現するソフト開発手法として,ADM(Architecture Domain Matrix)手法を提案する.分析装置を接続するたびに発生する改造が散在することを課題として,アーキテクチャ要素とドメイン要素の両面でソースコードを分類することにより見積り分解能を上げ,ADM手法が開発コストをコントロールできることを示す.第7章では,ADM手法を実際の開発プロジェクトに適用した結果を述べ,ADM手法による生産性向上を数値で示す.第8章では,STSの搬送制御方式とそのソフト開発手法を実際に適用した製品実績について述べる.1990年代に始まった大型自動分析装置の開発で考案・採用されたSTSは,顧客の環境に合わせた分析装置の組合せを可能にしただけでなく,検体の追い越しにより検体の渋滞を防止することができるという特長を生み出した.これにより世界市場における高いシェアを築くことができた.後に大型のみならず中型自動分析装置の開発にもこの方式は引き継がれ,更に,生産性向上のためのプラットフォームが前述のADM手法により開発され,これらをベースに多機種に渡る自動分析装置システムを高い生産性で構築し,自動分析装置の世界市場における高いシェアを維持している.第9章では,以上述べたSTSの搬送制御方式及びソフト開発手法における課題に対してどのような解決がなされたかをまとめ,それらがシステム製品に貢献したことを述べる.以上の研究の成果として,設計から実装に至る開発全体において搬送プラットフォーム構築手法を確立して性能向上及び開発効率向上を実現でき,自動搬送制御を組み入れることができた.この手法を採用した検体検査システムはワールドワイドに利用されており,検査コストの低減及び検査の迅速化に貢献している.
机译:None

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