流れ系油水界面の安定化とこれを利用した増幅検出系の構築

摘要

【緒言】近年、分析装置の小型化、溶媒使用量の低減などの目的から、各種物質の検出·定量を基板上に形成した幅数十μmの微小流路を用いて行うマイクロ分析システム（μ-TAS）の研究が盛んに行われている。 しかし、試料溶液量が従来の分析法に比べて少ないため、実用的な検出感度を得るには試料の濃縮、電気化学検出法を採用する場合には反応電流の増幅系の構築が期待される。 我々は電気化学的に活性な化合物の高感度検出を目的とし、油相（Org）|水相（W）界面（油水界面）における酸化還元反応を利用した電流増幅機構を持つ電気化学マイクロチップを開発した。 より安定な増幅電流を得るためには流れ系での安定な油水界面を確保する必要があり、用いる有機溶媒種について評価検討した。 また構築したシステムを用いてフェロセン（Fc）のフローインジェクション分析を試みた。