トロロックスの酸化前置波測定に基づく電気化学検出HPLCによるシタラビンの定量

摘要

シタラビンは、代謝桔抗剤として急性白血病に臨床適応されており、その血中濃度測定は、骨髄抑制などの重篤な副作用を防ぐために有用である。選択性に優れたシタラビンの電気化学検出法の開発は、血中濃度測定に有利と考えた。シタラビンのようなビリミジン塩基は、電気化学分析で繁用のグラッシーカーボン（GC）電極上で電解が困難であった。我々は、トロロックスの非緩衝溶液に微量の弱塩基物質が存在すると弱塩基物質の濃度に依存する酸化前置波が出現することを見い出した。本研究では、シタラビンがトロロックスの酸化前置波測定によって、電気化学的に定量できることを示すとともに、シタラビンの電気化学検出HPLCを開発することとした。