オンコロジック·エマージェンシー

摘要

がんの病状は基本的には緩徐な進行性であるが，早急な対応を講じなければ不可逆的な臓器障害や生命の危険に直結するような病状を時間日の単位で呈することがあり，これをオンコロジック.ェマージェンシ一と呼ぶ.ここでは救急外来で遭遇した場合を想定して解説する.病態を，①構造上の問題，②代謝性要因，③ 治療関連合併症に分けて考えると整理しやすい.構造上の問題とは腫瘍自体による圧迫，閉塞などをいい，より緊急性の高い病態が多い.代謝性要因は腫瘍が産生する液性因子などを通じて間接的に生じる合併症のことであり，腫瘍随伴症候群としての側面をもつ.構造上の問題に比べ緊急性は相対的にやや低い.