ニューロモデュレーシヨンに関する基礎研究

摘要

ニューロモデュレーシヨンの代表である脳深部刺激療法では電極を長期間脳内に刺入するが，術後5年たつ ても，周囲の脳組織にミクログリアの集積ゃァス卜口 グリァの増殖が見られることは少ない。脳実質への障 害は少ない治療法であると言える。刺激によってド一 パミン細胞の再生やドーパミン終末の増加は生じず， 細胞死も継続して生じていることから，電気刺激療法 はパ一キンソン病の原因である黒質ド一パミン細胞の 損傷を阻止する等の効果がある治療法ではない。動物 実験から，視床下核電気刺激により淡蒼球内節への GABA入力が促進することで，淡蒼球内節の神経活動が 抑制され，脳内の活動バランスを整えることで治療効 果があることが分かってきた。また，電気刺激を慢性 的に行うことで，運動関連領野である大脳皮質や視床， 基底核の神経細胞ゃグリァ細胞が活性化することから， 活動バランスを整える以上の効果も期待される。