神経幹細胞のエビジ工ネティツクな分化制御機構

摘要

神経幹細胞は自己複製能を持つと同時に中枢神経を構成するニューロン，アストロサイトおよびオリゴデンドロサイトへの多分化能を保持した細胞である。 近年，神経幹細胞の分化にはサイトカインや転写因子による制御以外にもDNAメチル化やヒストン修飾等のエビジェネティツクな制御機構が重要な役割を果たしていることが明らかになってきた。 神経幹細胞におけるエビジェネティツクな分化制御機構は正常な発生段階での役割のみならず成体脳におけるニューロン新生や疾患への関与が示唆され，これらの制御機構を理解することは臨床応用的にも重要であると考えられる。